時計の防水性能表示には知識が必要です。
100m防水と10気圧防水の違いや使い分け方法について疑問を解消します。
自分の生活スタイルに合った時計選びをするために、防水性能の重要性について考えてみましょう。
時計の防水性能について
時計の防水性能について、よく耳にする「100m防水」と「10気圧防水」。
これらの言葉の意味は一体何なのでしょうか。
同じ防水性を保証する表示のように思えますが、実はその中身は微妙に異なるのです。
本稿ではこれらの防水性能の違い、それぞれの適用範囲について解説します。
100m防水と10気圧防水の違い
「100m防水」と「10気圧防水」とは具体的に何が違うのでしょうか。文字面だけではわかりません。


まず、基本的に「10気圧防水」と「100m防水」は同じ防水性能を指しています。100m防水はある一定の厚さの水柱、つまり水深100mの圧力に耐えることができる防水性能ということです。一方、10気圧防水も100m防水と同じく、水深100mの圧力=10気圧に耐えることができる防水性能を指します。ただし、彼らとも名前の通り100mの深度まで潜れるわけではありません。
100m防水と10気圧防水は、表現方法が異なるだけで、同じ防水性能を指しています。
それぞれの表示は、時計が示された深度の水圧(1m=0.1気圧)に耐えることができるという意味です。
ただし、重要なのは、これらの数値はあくまで試験条件下でのものです。
常に、同じ防水性能を保証するものではないので、ご注意ください。
防水性能の保証とは
いつでもその防水性能が保証されていないというのはどういうことですか?


それは、時計の防水性能表示はあくまで試験条件下での数値であり、実際の使用状況や耐久性には個々の商品、状況によるという意味です。例えば、水中での動きや温度差、年月による劣化などは評価できません。特に、水中での運動は実質的な水深を増やすため、表示以上の防水性能が求められる場合もあります。
例を挙げると、勢いよく水に飛び込んだ場合や、スポーツなどで激しく腕を振ることは、水かさの増加となり、実質的にはさらに高い水圧が掛かります。
その結果、防水性能が低いモデルでは、水が内部に侵入する可能性があります。
また、時間の経過によるパッキンの劣化、温度差による素材の収縮・伸張なども防水性能に影響します。
時計の使用シーンと防水性能
なるほど、そういうことだったんですね。それだと具体的にどんな時計をどういうシーンで使ったら良いのでしょうか?


10気圧防水あるいは100m防水の時計であれば、日常生活水分からプールでの水泳など、一般的なウォータースポーツに対応可能です。ただし、ダイビングなど深海での使用や、サウナなどの高温多湿の環境下は避けたほうが良いでしょう。それ以上の防水性能が必要な場合は、200m防水やダイバーズウォッチを選んだほうが安心です。
パッキンとケースの接合部、リューズ、ボタン、ガラスとの接合部などが防水性能のキーとなります。
これらの部分が経年劣化、または強い圧力によって微細な隙間ができたり緩んだりすれば、水が時計の内部に侵入する可能性があります。
なので、具体的なシーンにより適した時計を選ぶことが大切ですね。
深海での時計使用と水圧
深海で使うというのは、具体的にはどういうことですか?


「深海で使用する」とは、ダイビングなど海中で深く(深度10m以上)潜ることを指します。一般的なシュノーケリングでは大体2~3mほどの深さまで潜りますので、10気圧防水の時計でも問題ありません。しかしダイバングでは10m以上深く潜るため、高い防水性能が求められます。
深さが増すたびに水圧が上昇します。
1気圧=1mの水深とすると、例えば水深20mまで潜ればその場所の水圧は空気圧に加えて20気圧となります。
その為、ダイビングで使用する時計はその水圧に耐えられる防水性能が求められます。
適した防水性能の時計選び
それなら具体的にどんな時計を選んだらいいですか?


プロのダイバーならISO認定のダイバーズウォッチ(200m防水以上)を選ぶことをおすすめします。一方、カジュアルにシュノーケリングを楽しむ程度なら、10気圧防水/100m防水の時計で問題ないでしょう。また、水辺でのレジャーや日常生活での使い回しを考えるなら5気圧防水/50m防水の時計でも十分です。
あなたのライフスタイルによって選ぶべき防水性能は変わります。
もし水辺でのアクティビティが多いのなら高めの防水性能を持つ時計を選び、日常生活での防水性に困ることが少ないのなら防水性能が比較的低くても大丈夫でしょう。
自分がどういった状況で時計を使うのかを想定して、最適な防水性能を持つ時計を選ぶことが大切です。
防水性能についてのまとめ
凄く分かりやすかったです!これなら次回時計を選ぶときに防水性能について考えて選べそうです。

学んだことをリストにまとめてみましょう。
- 「100m防水」と「10気圧防水」は同じ防水性能を指している。
- これらの防水性能表示はあくまで試験条件下での数値。通常の使用や耐久性については個々の商品、状況による。
- 10気圧防水あるいは100m防水の時計は、日常生活からプールでの水泳などに適している。
- 深海での使用や高温多湿の環境下は、より高い防水性能を持つダイバーズウォッチを選ぶべき。
以上を踏まえ、自分がどのような環境で時計を使用するかを考慮し、時計の防水性能を選択することが大切です。